研究者学術情報データベース

（最終更新日 : 2022-03-31 15:16:39）　

アンボ　ヒロナオ
安保　寛尚
AMBO Hironao

所属法学部法学科

職名教授

その他所属
1.	法学研究科
2.	衣笠総合研究機構国際言語文化研究所

学歴
1.	～2006/03	大阪外国語大学言語社会研究科言語社会専攻博士後期課程単位取得満期退学
2.	2003/03 (学位取得)	大阪外国語大学修士（言語文化学）
3.	～2001/03	大阪外国語大学外国語学部地域文化学科（スペイン語）卒業

職歴
1.	2014/04/01	立命館大学法学部准教授
2.	2007/10/01 ～ 2014/03/31	大阪大学他非常勤講師

委員会・協会等
1.	2018/06 ～ 2020/06	日本ラテンアメリカ学会理事
2.	2016/06 ～ 2018/06	日本ラテンアメリカ学会理事
3.	2012/07 ～ 2014/07	日本ラテンアメリカ学会西日本部会運営委員

所属学会
1.		CANELA（日本・スペイン・ラテンアメリカ学会）
2.		日本イスパニヤ学会
3.		日本ラテンアメリカ学会

研究テーマ
1.	20世紀初頭のキューバにおける、人種問題をめぐる政治、犯罪学、文化人類学の展開
2.	アフロキューバ主義における黒人文化表象の問題
3.	ニコラス・ギジェンの「混血(ムラート)」のレトリック分析

研究概要
アフロキューバ主義とニコラス・ギジェンの「混血(ムラート)」のレトリック　20世紀初頭のキューバにおける社会動向、とりわけ人種問題をめぐる政治、犯罪学、文化人類学の展開を視野に入れつつ、アフロキューバ主義と呼ばれる黒人芸術運動の成果や問題を明らかにする。そして、人種差別や黒人文化に対する偏見の解消を求めて、黒人的要素が深く注入されたキューバの新たなアイデンティティを提起し、その運動において特異な地位を占めるニコラス・ギジェンの思想を解明する。

現在の専門分野
文学一般, 文化人類学・民俗学 (キーワード：ラテンアメリカ文学、キューバ文学、アフロキューバ主義、ニコラス・ギジェン)

著書
1.	2018/03	「「ミノリスタとアフロキューバ主義、『モダニズムを俯瞰する』」 │ ,129-174
2.	2015/09	「スペイン語大辞典」

論文
1.	2019/07	エシュからシグニファイング・モンキーへ−アフリカ、キューバ、アメリカを結ぶ神話とトリックスターをめぐって− │ 立命館言語文化研究 │ 31 (1),141-158
2.	2018/09	「島は重いのか軽いのか、そして誰のものなのか？」(『島の「重さ」をめぐって』久野量一著、書評） │ 図書新聞 │ (3366)
3.	2018/03	キューバのヒップホップ運動とアフリカン・ディアスポラの伝統の実践−エルマーノス・デ・カウサのラップ“Tengo”の分析を中心に− │ 立命館大学法学会、「立命館大学法学」別冊『ことばとそのひろがり（６）』−島津幸子教授追悼論集− │ ,1-30
4.	2017/02	カクテルとアヒアコ−キューバ国民統合の隠喩とレトリックをめぐって− │ 立命館経営学 │ 55 (5),1-26
5.	2016/12	フェルナンド・オルティスの『タバコと砂糖のキューバ的対位法』をめぐる一考察（１）−キューバ性とトランスカルチュレイションについて− │ 立命館言語文化研究 │ 28 (2)
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学会発表
1.	2017/06/03	人種差別とキューバ文学（パネル　問い直すキューバ文学：回顧と展望）（口頭発表，一般）
2.	2015/12/05	「現実の都市」はソンのリズムにのって ―キューバ黒人芸術運動とニコラス・ギジェン― （口頭発表，一般）
3.	2015/09/19	チョテオをめぐるキューバの「文字の都市」の態度をめぐって ―フェルナンド・オルティスとホルヘ・マニャッチのエッセイを中心に―
4.	2014/01/25	グィッヘ／ヒグェの神話をめぐって ―ニコラス・ギジェンの「グィッヘのバラード」についての一考察― （口頭発表，一般）
5.	2013/05/25	中間航路を渡った猿　－キューバのトリックスターについて－（口頭発表，一般）
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受賞学術賞
1.	2011/10	日本イスパニヤ学会日本イスパニヤ学会奨励賞

科学研究費助成事業
1.	2018/04 ～ 2021/03	アフロキューバ主義における混血アイデンティティの言説形成プロセスの解明 │ 基盤研究(C)

授業科目
1.	(副)専門スペイン語Ⅲ
2.	(副)専門スペイン語Ⅳ
3.	(副)専門スペイン語Ⅶ
4.	(副)専門スペイン語Ⅷ
5.	Intensive Language Workshop(現地で学ぶ初修語セミナー)
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教育活動

●教育に関する発表

1.	2009/09 ～ 2009/09	「第二外国語としてのスペイン語教育における効果的な小テストと課題について」
2.	2008/12 ～ 2008/12	「歌い、踊る“スペイン誤学”と“スペイン娯学”」（教師の専門性を授業でどう活かすかについて）

研究者からのメッセージ
1.	現在の研究と今後の研究計画 1902年に独立を果たしたキューバでは、白人も黒人も法の下では平等となります。しかし1886年まで奴隷制が続いたこの国では、当然人種差別は根深く、実際には黒人差別が厳然たる事実として存在しました。近代化を志向する白人支配者層は、とりわけ黒人の音楽や宗教を「原始的」で「野蛮」と見なし、社会の発展を阻害するものとして危惧します。そこで黒人文化の「摘発」や「標本化」の役割を担ったのが犯罪学や民族学でした。その一方で、実質的な米国支配に対する反発や、1920年代から深刻化する経済危機が、キューバの土着的なものに対する注目を集めます。そしてヨーロッパや米国における黒人芸術の流行の影響を受けて、アフロキューバ主義と呼ばれる黒人芸術運動が生まれました。キューバを「ムラート（混血）」と見なすレトリックが広まったのは、まさにこの時期です。これは一方で、それまで拒絶されていた黒人的要素の評価・受容につながりましたが、他方で、黒人差別に対する行動を人種主義的であるとして弾圧する結果ももたらしました。現在の研究は、このような社会背景を見据えつつ、果たしてムラート詩人、ニコラス・ギジェンの「ムラート」のレトリックが、最近の研究において指摘されるように、支配者側に与する抑圧的なものであるのかを検証するというものです。　今後取り組みたいと考えているのは、キューバの19世紀反奴隷小説や、奴隷制と砂糖きびプランテーションが生んだ文学作品、いわゆる「ポストプランテーション文学」について、カリブ海域を広く視野に入れた研究を行うことです。